政治経済の授業です。

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 今日は民主主義についてお話いたします。

 民主主義を英語で表すと"democracy"となりますよね。先頭を見てください。"demo-"となっていますね。なんと「悪魔"demon"」と同じではないですか。実は「民主主義」と「悪魔」は語源が同じなのです。従って日本人が「民主主義」という言葉に持っているイメージとは異なるイメージを英語圏の人々は有しているのです。

 では、民主主義のどこが怖いのでしょうか?話は変わりますがヨーロッパ圏の人々の間で、最も頭のいいと認識されている人は誰かご存じですか?答えは「ソクラテス」です。では、最も高貴な人は誰でしょう?答えは「イエス=キリスト」です。

 では、最後の質問です。両者の共通点はなんでしょう?実は殺された原因が同じなのです。彼らは「民主主義」のシステムによって殺されたのです。

 今一度、確認します。「民主主義」というシステムは「多数派原理」です。これのどこが怖いか?全員が正しければ問題はありません。でも、多くの人が誤解していたらどうでしょう。マスコミによって世論が操作され、多数決原理が悪用されるということは、起こりえるわけです。

 日本でも嘗て「関東大震災」の時に起こりました。地震後「井戸水に毒を韓国人が混入した」という噂が広がりました。大多数の人々はその噂を真に受けました。結果はリンチです。寄ってたかって韓国人を嬲り殺しました。罪悪感はありません。正しいと思ってやってしまったわけです。そうした時、誰が止められますか?狂気をまとった大多数ほど怖いものはありません。

 民主主義とはそういう危うい一面を有したシステムということです。では、大多数の標的にされた人は見殺しにされるのでしょうか。いいえ、違います。最後の砦があります。それが「憲法」です。

憲法の存在意義は、少数者の人権を守り、結果として社会が健全に営まわれるようにするために存在しているのです。だから「立憲民主主義」と呼ばれるわけです。民主主義の上に「憲法」が乗っかているというのは、民主主義の暴走を抑止するために憲法が常に見張っているということです。